ロボットは 〔ロボット・歴史・人形〕

「ロボット」ということばは、20世紀になってから生まれた。

辞典などでは、ロボットということばに、古くは自動人形、人造人間などといった解説をつけたものも少なくはない。

それは、このことばの成立の歴史によるものであるが、今日、ロボットという場合には、自動人形などより、産業用ロボットやペットロボットをさすことのほうが多くなっている。

1920年にロボットということばが生まれたが、人類は、はるか以前から、人にかわって動作・操作するような道具・装置をつくりだしたいという願望をもっていた。

古代ギリシア、アレキサンドリアで活躍したヘロンは、神殿の祭壇の前で盛んに火が焚かれることに着目し、火が盛んに燃え上がると、神殿の扉が自動的に開き、火が衰えると自動的に扉が閉まるという、今日の自動扉のような機構を考案している。

また、コインを所定の場所に投げ入れると「聖水」が出てくる自動販売機のようなものを考案している。

18世紀には、フランスのボーカンソンが、アヒルの機能をそのままもつ機構の再現を試みた。

アヒルの姿・形はもちろんのこと、水浴びをし、ものを食べ、鳴き声をあげ、排泄までするような人工アヒルを製作した。

さらに多くの技術者や発明家たちが、文字を書く人形、絵を描く人形、らっぱを吹く人形など、さまざまなものを製作している。

日本でも、自動人形は古くからつくられている。

よく知られたものに、江戸時代の茶運び人形がある。

人形の手の上に茶碗をのせると人形は動き始め、お茶を差し出す相手のところまで行き、相手が茶碗をとると人形は停止する。

相手がふたたび茶碗を人形の手の上に置くと、人形は向きを変え、元のところまで戻る仕掛けになっていた。

この人形の動力源にはクジラのひげを細工したぜんまいが使われ、木製の軸や歯車で動力を伝達していた。

また、人形がとんぼ返りをしながら段を降りる「段返り人形」もあり、これは人形の胴に内蔵された水銀が上下移動するようにくふうされており、それによって動く仕掛けになっている。

これら、日本の自動人形については、『機巧図彙』『訓蒙鑑草』などの書物に、その構造を含めて記載されている。
update:2010年03月17日